代表理事挨拶

学会について

 この度、一般社団法人日本家族心理学会の理事長を務めさせていただくこととなりました。この4年間、若島孔文理事長の下、事務局長として主に総務面を中心に学会運営に関わらせていただきましたが、改めて理事長という職責の重さに気持ちを引き締めているところです。
 さて、法人化以後、日本家族心理学会は、第1期の野末武義理事長が一般社団法人としての基盤を固められ、また第2期、第3期の若島孔文理事長が、コロナ禍への対応をはじめ、本学会学術雑誌である家族心理学研究の改革(①査読の迅速化、②電子投稿化、③オンライン・ジャーナル(J-Stage)化)や本学会の未来を担う若手先生方のネットワーク構築を目的とした「次世代の会(若手の会)」の設置、その他多岐にわたる改革に取り組んでこられました。
 法人後第4期となる今期は、これまでの流れを受け継ぎつつ、学会員の皆様にとってますます魅力ある学会づくりに邁進するとともに、併せて、学会の財務面の強化や運営面の改革も行って参りたいと思っております。

 ところで、日本家族心理学会は1984年に「家族心理学領域の研究と実践を推進し、その進歩及び普及に貢献すること」を目指して創設されました。2023年の今年は設立から40周年をとなるまさに節目の年でもあります。
 時代が変われば社会が変わり、社会が変われば様々なアタリマエが変化していく中、家族も例外ではなく、この40年の間に家族も少なからず変化してきました。とはいえ、家族の本質は変わることはなく、家族は家族であり続けています。本学会は、心理学をはじめとし、社会学、教育学、医学、看護学、精神保健学、社会福祉学、母子健康学、幅広い専門領域の先生方で構成されています。また、行政や法律がご専門の会員の先生方も多数おられます。「家族」あるいは「家族の心理」について、心理学的アプローチのみならず、多様な学問領域をバックグラウンドとした学際的観点からアプローチできる点は、本学会の大きな魅力の一つとなっています。
 本学会の40年間を支えつづけてくださった諸先輩先生方が大切に守られてきた本学会の歴史と伝統をしっかりと受け継ぎつつ、現在の学会員の皆様のご意見にも耳を傾けながら、理事、監事、そして代議員の先生方と共に、本学会が目標して掲げる「家族心理領域における研究」「家族カウンセリングの実践」「家族心理教育の普及」、この三つの柱をより太くしっかりとしたものにして参ります。
 会員の皆様におかれましては、よりよい学会のために何かお気づきの点等ございましたら、お気軽に事務局までご連絡を頂戴できればと思います。

 尚、2023年9月16日(土)~9月18日(月・祝)にかけて、日本家族心理学会第40回大会(大会長:久保順也先生(宮城教育大学)/大会テーマ『安心・安全なコミュニティとしての家族』)が宮城教育大学を会場として開催されます。コロナが5類になったとは言えまだ予断を許さない状況もありうることから、研究発表や自主シンポジウム、一部ワークショップについてはオンデマンド開催となりますが、本大会は学会設立40周年の記念大会でもあり、大会二日目(19日(日))の大会基調講演や各種シンポジウム、および3日目の一部ワークショップにつきましては、昨年の第39回大会に引き続き、対面開催となります。宮城・仙台の地で、会員の皆様とともに本学会の40年の歴史を振り返りつつ、家族のこれまでとこれからを考える機会にできたらと思っております。第40回大会で皆様とお会いできます事、心より楽しみにしております。

2023年6月10日
山形大学 佐藤 宏平